さて今回はオフショア開発経験10年以上の筆者がどうしてウクライナを一押しするのか?なぜベトナム、中国でないのか?と言う点を語りたいと思います。ちなみに筆者はいままでさまざまな地域とオフショアで仕事をしてきた経験上ウクライナがベストのオフショア開発先と断言できます。
コスト:
ウクライナ人エンジニアの年額給与の平均は約20,400ドル〜39,000ドル/年といいますから、費用面だけを考えるとベトナム、ミャンマー、カンボジア、フィリピンはたまたインドのほうがいいかというお客様企業もおられることでしょう。ただしここには一人当たりの生産性という深い落とし穴が潜んでいるのです。例えば1人月分の仕事量なのに3~4人月分の見積もりを出してくるベンダーがインド、ベトナムにはごろごろあります。バグも多く、安かろう悪かろうのシステムが出来る可能性が高いので結果的にウクライナで作ったほうが安く良質なシステム開発が出来る場合が多いです。世界的に成功している欧米のIT企業がなぜウクライナを選ぶのか、の理由だけを考えてみてもそれがよくわかると思います。あと現地に拠点を作る際にエンジニア以外のスタッフのコスト、オペレーション費用が激安というのもメリットです。
生産性:
上記にも述べましたがウクライナのエンジニアは異常に生産性が高く、筆者が外資金融IT時代に仕事をしていたインドのエンジニアが1人分の仕事量を3~4人でこなしていたのに対し、逆に3~4人分の仕事量を1人でこなせるエンジニアが多い印象です。
クオリティ:
システムのバグは不可避と思われがちですがウクライナ人の作ったコードは誰にでもわかりやすくすっきり書かれており、デバッグ時も楽な印象です。皆、英語が得意なのでコミュニケーションミスも生じにくく仕様をすんなり理解してくれます。逆に某国人の書いたコードは自分の仕事を守るためなのかわざとじゃないか?ひょっとして嫌がらせ?と言いたくなるほど分かりにくく複雑怪奇に書かれています。バグや仕様誤認もしょっちゅうです。
最先端技術:
ウクライナ人は理数系教育からしっかり学習しているため、付け焼刃的技術のそこらのエンジニアとはわけが違います。物理学、数学のPhDを持ったエンジニアがごろごろいます。そんなこんなでプログラミングにもその深い知識と理系ならではの合理性を適用するため、特に最先端技術の習得、応用に長けています。AI、マシンラーニング、ニューラルネットワーク、ディープラーニング系は幅広く深い数学的知識が不可欠なため、にわかプログラマには使いこなせる次元ではありません。これらの分野でウクライナ人エンジニアの本領が発揮されます。 弊社のお客様企業でもベトナムに開発拠点があったがAIやブロックチェーンなどのエンジニアが見つからず、はるばるウクライナへ流れてきたといった事例が多々あります。
語学力:
インド人は英語が得意と思われるかも知れませんがインド人と仕事をされた方はお分かりでしょう。ヒングリッシュの訛りは大変分かりにくくシンガポールのシングリッシュのほうがまだましなレベルです。語学力というかインド人エンジニアになぜバグったかの説明をさせたら2時間ぐらい延々と言い訳話しを続けます。(すみません。誇張です。)ベトナム人エンジニアは英語力は論外、話せても何を言っているのかわからないレベルの人が多いです。
離職率:
ベトナム、インドなどでよく聞くのが他社が100ドルでも多い給料をオファーするとすぐに辞めてしまうというものです。これはかなり真実に近く、弊社のいた某外資系証券会社のインドIT部はチームごと他社へ移籍してしまった部署がありました。これは会社への忠誠心が薄いというカルチャーの問題でもあります。ウクライナ人は給料だけで職場を決めるというわけでなく、仕事内容、やりがい、チームメンバーや上司との人間関係の良好さなどを優先する傾向があります。
人材の豊富さ:
毎年3万人以上の理数系のエンジニアの大学新卒を輩出し、他業界から給与の高いITへの転進も多いです。現在ウクライナ国内のITエンジニアの総数は20万人以上と言われています。これはロシアを除くヨーロッパ地域ではダントツの数の多さです。ウクライナのIT産業は現在GDPの2.5%程度だが5年後には5%に迫ると予測されており、成長率も年20%の高成長を遂げており、更なる人材の供給が予想されます。
以上、思いつく限りウクライナでオフショア開発する際のメリットを書いてみました。
Comments