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インタビュー第七弾 キエフ在住アメリカ人起業家 企業向けオンラインマーケティング・スタートアップ企業Pavdy創業者兼経営最高責任者グレイディ・アンダーセン氏




本日のインタビューは最近ウクライナで増えてきたアメリカ人起業家の一人で筆者の友人でもあるデジタルマーケティング・スタートアップ企業Pavdy創業者兼経営最高責任者グレイディ・アンダーセン氏です。アンダーセン氏は早くからウクライナのテック業界の可能性を見出しており約2年前(筆者が移住してくる少し前)に移住してきたアメリカ人の一人です。最近ウクライナでは彼のような若く、意欲にあふれる外国人起業家が続々移住してきており一大ムーブメントとなっています。


インタビュー場所はアンダーセン氏の会社Pavdyがオフィスを構えるParusビジネスセンターで行われました(レンタルオフィス、コワーキングスペースではありません)。キエフ中心部のビジネス街に位置し、窓からはウクライナのテックハブ、ITユニコーン企業のAmazon RingやGrammarlyも入居するガリバービジネスセンターやレストランなどが多く入居するアリーナ・シティなどを望める絶景です。土曜日だったのでオフィスには人気がなく、インタビュー用に貸切状態でした。




1. アンダーセンさん個人について、ご自身の経歴やなぜウクライナに引っ越してきたかについてお聞かせください。

話すと長くなるのですが、ビジネスマンにはあまり面白い話ではないかもしれませんが起業家には面白いと思われます。端的に話してみます。私の出身地のアリゾナ州にいたとき常に私は起業について考えていました。その頃私は不動産業界にいて土地や家を売ったりしていました。しかしその後でアメリカ国外のビジネスに興味が湧きだし、事業計画を練り、まずノルウェーに引っ越しました。そこで最初は不動産事業に関わっていたのですが、そこで私が直面したのは「ビザ」の問題でした。アメリカにいる限りビザについて考える必要もなかったからです。軽く考えていたのです。しかしかの地で私はなんと移民局にビザなし就労を問題視されアメリカへ強制送還されてしまいました。ちょっとした欧州での冒険譚です(笑)。


そこで私が学んだのは良いことも悪いこともありますが沢山のことを学びました。アメリカでは不動産取引は州ごとの法律に左右されます。バージニア州に強制送還されたのですがそこでは私は不動産取引資格がなかったので業界に戻れませんでした。そこで自分が何が出来るかを考えました。そこでコンサルティングに目を付けたのです。自分が何が得意かを考えたときネットワーキング(人脈作り)が自分の長所だと知っていたからです。それがウクライナへ来た理由なのです。私がPavdyを創業する前、コンサルティングにフォーカスしていました。ウクライナ(IT)企業のストラテジーをアメリカの顧客に対してローカライズするのが趣旨です。


2. Pavdy社について詳しくお聞かせください。

Pavdyは戦略に特に特化したコンテンツマーケティングとブランディングを担当する企業です。弊社が他の競合他社と違う点は我々が「人を良く理解している」という点です。他にも美しいデザインを作ったり複雑なデータベース戦略を提供したり多くのデジタル・マーケティング企業が存在しますが、それらの多くが「人」というものを真に理解できていないように感じます。それが弊社の最大の強みです。データを利用して美しいものを創り出すだけでなく、テック業界に特化して人と人をどう繋げるかに尽力しているからです。今弊社はウクライナIT企業を北米(カナダ・アメリカ合衆国)へ売り出す手助けをしています。


3.今現在のウクライナのIT産業の強みについてお聞かせください。

ウクライナは世界的にも最強のIT大国のひとつです。(北米の)多くの人々は東欧がビジネス、特にテック業界に向いているとは考えません。しかし今現在ウクライナのIT業界は巨大化しています。(柴田を差し)あなたを含む多くの人がキエフのことを「東欧のシリコンバレー」と呼んでいます。私はその意見に完全に同意します。多くの巨大テック企業がこの地で生まれ、アメリカへと拠点を拡大しています。この地に留まり拡大し続ける企業も多くあります。Samsungなどの世界的なテクノロジー企業もキエフに大規模な研究開発センターを構えています。よって将来は明るいと考えます。


4.今後(5年後、10年後)のウクライナのIT産業の展望についてお聞かせください。

はっきりと言うのは難しいですが、ウクライナの法律や他の企業、IT技術者などがウクライナへと移動している動向を見るに、今後5~10年にかけて巨大ウクライナIT企業の多くがウクライナ国内に留まり続けるでしょう。恐らくウクライナ発のIT企業がアメリカへと拠点を移すパターンは長続きしないでしょう。いずれはアメリカへ移った企業も昨今のリモートワークの波の影響を受け、アメリカなどへわざわざ拠点を移す必要などないという事を理解しだすでしょう。研究開発拠点、マーケティング、営業、全てウクライナ国内の拠点から可能です。





5. 実際外国人としてウクライナで事業を営んでいるアンダーセンさんの外国企業がウクライナで営業する際のリスクとその回避法についてのお考えをお聞かせください。

国際的な事業をウクライナで営む上で一番重要なことのひとつは、リスクと法律についてよく知ることです。ウクライナに関して言うと会計等に関しての複雑な規則が挙げられます。外国企業が人をウクライナへ派遣したり現地で雇用したりする場合、信頼の置ける法務部や会計部のスタッフを雇い入れることが重要です。それらの人材を充実させることで現地の様々な複雑な規則、グレーゾーンのリスクを回避出来るからです。結果的に監査でトラブルになるような状況を回避できます。


6. シリコンバレーでの事業経験もあるアンダーセンさんですがアメリカ、シリコンバレーのテック業界とウクライナのそれを比較したときの相違点・共通点などを教えてください。

2つに分けてお答えします。まずメンタリティや態度の面です。カリフォルニア州、シリコンバレーで事業を営む時、かの地には沢山の巨大テック企業が多数存在する事にすぐ気が付きます。それらの企業が自分達が一番だと思っており、もちろん例外も存在しますが多くの人々は単にお金の為だけに住んでいます。一方でここウクライナではお金だけでなくもっと本質的な真に好きな事を追い求めている起業家にあふれています。その様なピュアな好奇心が事業を次の次元へ高めていくのだと思います。


7. 日本市場についてどうお考えですか?日本企業と仕事で関わったご経験はおありですか?

個人的には日本へは一度も行ったことはありませんが個人的にとても魅惑的な場所だと思います。文化だけでなくビジネスに関してもです。日本市場はとても大きく、日本企業はもっと東欧、ウクライナへ投資を拡大する余地があると思います。今はまだ詳しくは話せませんが個人的にも日本市場向けに(柴田を指さし)あなたと一緒に事業を計画しており、とても楽しみです。


7. 日本に関してですが日本企業がウクライナに進出する上でのチャレンジ(課題)などがあればアドバイスいただけますか?

それは日本のモノをウクライナへ売ることに関してですか?それともウクライナの人材を使ってオフショア開発をして北米に売ることに関してですか?

多くの日本企業が研究開発センターをウクライナに作り、日本や世界市場に自社プロダクト・サービスを売ろうとしています。そのことに関して。

2つあると思います。まず日本企業が研究開発拠点をキエフやウクライナの他の都市に置いて事業を営む上で、ウクライナ人の勤労文化やマインドセットを理解することがとても重要です。ウクライナ人は大企業で働く人、小規模のIT企業で働く人、それぞれ独自の働き方があります。シリコンバレーと比較してもかなりの違いがあります。日本とも多くの違いがあると想像します。ウクライナ人でそのような現地事情に通じている人事専門家を雇うことが重要です。世界的な目で見るとアメリカ市場に精通しているマーケティング専門家を雇うことがとても重要です。地域差もあるのでアメリカ一国でも例えば西海岸と東海岸では全く違います。市場をよく理解することはとても重要です。


8. アンダーセンさんの専門分野についてですがマーケティングの将来はどうなるとお考えですか?どんな変化があると思いますか?例えば10年後など。

ダイレクトマーケティングやアセットマーケティング分野で最も明白な変化として考えられるのがAR・VR技術の利用でしょう。皆さんもこの分野の成長についてご存じのことでしょう。AR・VR技術は広告業界においてとても面白い技術です。ダイレクト広告やパッシブ広告、複雑なゲーム、単純なゲームなど。VRやその関連技術が発達することにより、マーケティングでの役割はとても大きいものになると予想しています。


9. 最後に2年間ウクライナに住んでいらっしゃるアンダーセンさんの趣味とストレス解消法についてお聞かせください。

正直に言うとキエフは私が今まで言った中で色々な面で一番好きな都市です。私はウクライナ人の勤労態度や仕事に対するアプローチの仕方が好きです。とても面白いと思います。ウクライナは他の欧州諸国からちょっと地理的、文化的、経済的にも距離がある為、とてもユニークな経験を得ることが出来ます。ナイトライフも素晴らしいし食べ物も美味しいし、建築などは他の欧州諸国やアメリカと比べても独特です。日本ともかなり違うと予想します。仕事をしてない時、私はよく外をぶらぶら歩いて散策します。キエフは超大都市ではありませんが大きな都市なので歴史的名所など常に面白い発見があります。キエフ周辺には森が多く、水泳や(川岸の)ビーチや自転車、ペイントボール遊びその他多くの娯楽があります。


今日はお時間ありがとうございました!



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